2014年6月16日月曜日

クルマを作る側の「哲学」を理解しようとしない?

  クルマを作っている側の人々のインタビューや著作を読むと、いろいろ勉強になることが多いのですが、それ以上に感銘を受けるのが人並み外れた「知性」です。世界最先端の自動車を作っているわけですから、当然ながら「バカ」じゃ務まりません。しかも新幹線を作るのと違って、「B to C」な自動車ですから世間全般のトレンドにもとても詳しい。しかも今やほとんどのモデルはグローバルカーです。その辺の大学でエラそうに授業している先生なんかよりもよっぽど外国事情についても詳しいですから、下手なビジネス本なんかよりも、クルマ作ってるエンジニアが書いた本の方が断然に面白かったりします。

  しかし世間一般でトヨタや日産のエンジニアが、リクルートやソフトバンクの第一線で活躍するような人材に匹敵するくらいの「頭脳」を持っているというイメージはなかなか浮かばないようで、一般マスコミ・モータージャーナリスト・ネットの掲示板ではどこも、自動車メーカーを完全に下に見た記事・発言が当たり前になっています。割と物事の道理に通じていると思われる沢村慎太朗氏のようなライターでさえ、自らの記事内でトヨタの担当者を質問攻めにしたところ、何も考えてないことが明らかになった!と鬼の首を獲ったように書いてるところをしばしば見かけます。

  沢村氏ですらこの有様なので、その他の「オレ様」ライターときたら、本当に「何様」?といった感じです。とくに「放漫さ」が目立つのが、「NEW MODEL MAGAZINE X」の喜怒哀楽というコーナーに登場する高平高輝・西川淳・松下宏という3名です。輸入車のときはとりあえず「ここが良いね!」と意味不明に絶賛を繰り返し、オッサンだけどちゃんと解ってますよ!とひたすら読者に媚びます。そして日本車が登場すると、まるで読者と一緒になって日本のエンジニアをボロクソに罵ろう!という企画に豹変します。なんなんだこの茶番は?「2ちゃん」の書き込みみたいに開発者を精神的に追い込むようなエゲツないコメントの数々・・・こんなコメントで溜飲を下げる読者がたくさんいるのかと思うと「吐き気」がします。「2ちゃん」ユーザーの多くは年配の人というデータがありますが、どうやらこのコーナーが裏付けてしまっているような気が。

  彼らに対して怒りを覚えるのは、そのコメントの中身にまったく「知性」を感じないからです。沢村慎太朗氏の場合は、自分の考えを常に呈示し、ターゲットとした開発者が読んだとしても納得ができそうな形で話を進めていくのですが、「喜怒哀楽」の3人の発言はまるで「ガキの喧嘩」です。読者が受ける印象は、自動車なんてマヌケなエンジニアが適当に作ったゴミに過ぎず、何百万円も払って買う人はもっとマヌケだ!といったところでしょうか。もちろん言論の自由があるので、辞めろ!とは安易に言えないですけど、この3人がジャーナリストを辞めてくれたら、今よりも少しはクルマが売れるようになるんじゃないか?という気がします。まあ今の若者はこんな馬鹿げた雑誌など読んではいないですが・・・。

  結局のところ日本のクルマファンの多くが、「似非クルマ文化」に埋没してしまっている気がします。もちろんイギリスやアメリカのモータージャーナリストもしょうもない言葉でクルマを批判していたりするわけですが、それでも自国の自動車産業への誇りというか、リスペクトみたいなものは感じます。アストンマーティンやジャガー、あるいはキャデラックやダッジ、リンカーンへの畏敬の念は日本のジャーナリズムには見られない現象です。レクサス、スバル、マツダに対して礼節を尽くすライターもいない事はないですが、大抵はバブルの生き残りで「フェラーリ」や「ポルシェ」こそがクルマだ!みたいなヤツらが、興味の無い日本車をイヤイヤ批評してるケースがまだまだ多いのではないかと思います。沢村慎太朗氏のような作る側の「哲学」と真剣に向き合うジャーナリストは支持しますが・・・。


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