2014年11月21日金曜日

BMW3シリーズ(2015年モデル)についての所感

  初めに断っておきますが、私はこのクルマ(F30・BMW3シリーズ)はかなり好きです。とりあえず鬱陶しい東京を離れて中部地方の山間部に居を構えるとしたら、地味で飾り気こそないクルマですけども、普段の足にはなかなか良さげなクルマではないかという気がします。ただし新車で買うとなると軽く500万円を超えますから、私のような貧乏人には「普段の足」とか「良さげ」なんて気楽な話じゃ済まないですし、WRX-S4やゴルフGTIなどもう少し安くて400万円ジャストぐらいの乗り出しでも、十分過ぎる性能の「普段の足」が買えます。

  それでもこのF30・3シリーズが持つ「さりげなさ」は特別なものがあります。自分でもよくわからないのですが、クルマに対する愛情がどこからか沸々と湧いくる「風情」があります。一般的に言われている「クルマが軽くて、前後重量バランスが取れている」ことには、それほど感心していませんし、むしろその設計ゆえに「荷重移動」をあまり感じさせないので、ふんわりと「気の抜けた」ような物足りないフィーリングにすら思えます。他のクルマよりもトラクションの変化によるスイング感が無く、よっぽどの傾斜路でも無い限りは絶えず65%くらいのトラクションで巡航していきます(そんな感じです)。トラクションとは本来は絶えず許容範囲内で変化し、95%くらいで発揮されるとアドレナリンが出る?感覚がするものですが、そんな運転の楽しみ(気持ち良さ)を「ごっそり奪う」というやや掟破りの乗り味とも言えます。

  しかし無意識の内に感じて、身体が反応してしまう連続的なトラクション変化は、運転手にとっては僅かながらのストレスにもなります。そしてBMWの愛好家がしばしば貶す一般的な「国産車」はさらにアクセルレスポンスが緩く設定されていたり、CVTによる応答の遅れが重なりそのストレスを増幅させる傾向が見られます。そしてオイル交換が億劫になっているエンジンならば回転数の上昇とアクセルのシンクロが不安定だったりするので、不快感・イライラにつながることもあります。そしてBMWに比べて車体剛性が著しく劣るハイルーフの廉価車(プチバン)などは、コーナー脱出速度が低くなりがちで、減速→加速の連続操作でアクセル&ブレーキそしてミッションが絶えずストレスを引き起こしがちです。

  国産の廉価モデルのそういった特性を、BMWユーザーが徹底的に嫌がるのは、とても的を得ていますし、そう言いたい気持ちもよくわかるのですが、この一連の動作をBMW車と同等以上にストレスフリーに出来てしまう国産車もどんどん増えてきているのも事実です。その一方で従来のBMW車にはサスの固さという別の面で国産車よりもストレスフルになる弱点が顕著にありました。そこでBMWが考えたのが、そういった「メンドクサイ部分」を徹底的に排除しようということで、その意図に溢れた設計になっているのが、F30・3シリーズの8AT装備のクルマです。つまりこのモデルは日本メーカー車を徹底的に研究した上で作られています。320iに設定されている6MTモデルを試してみれば、また違う側面が見られるかもしれませんが、スポーツカー好き(非日本車的要素が好き)を自称する人ならば、とりあえずこの8ATモデルには近づくべきではない気がします。

  3シリーズの8ATを体験していて自分でもこのフィールが好きなのか嫌いなのかよく分らないです。WRX-S4のCVTには少々イライラしましたし、トヨタプレミオのCVTに至ってはアクセルオンから欲しい出力に達するまでのタイムラグがストレスの許容範囲を超えてしまいますから、その点に関してはBMW8ATの優越性はよく理解できます。先述のようなネガティブな面を割り切って考えてしまい、経済性が高く変速ショックも少なめな点を評価して「ストレスのないミッション」という意味ならば、「BMW車購入の理由」として最も多く挙げられるのが8ATなのも納得します。結局のところこの「8AT的価値観」に服従するかどうかが、その人のBMW車への評価を大きく変えるものになると思います。

  「F30は歴代最高の3シリーズ」という判断はもちろん尊重されるべきですが、その判断自体はBMWというブランドの尊厳を傷つけるものと言えます。まあどう判断するにせよ、こういうクルマを作ってしまったBMWにプライドやオリジナリティがやや欠如していることが問題なのであって、ユーザーは別に悪くはありません。乗り出し500万円余りの320iセダンに、その金額に見合う価値があるとしたら、クルマの所作の隅々まで日本車的な「礼儀」が貫かれている点です。そしてこのクルマは本来のBMWの「エンジン屋」イメージからはほど遠く、「Sモード」であってもまだまだ緩い中間加速に気がついてしまうと、まず新車で買う事を渋りたくなります。むしろ400万円で買えるゴルフGTIのほうがそのイメージに適っています。

  こんなことを書くとファンの方に怒られちゃうかと思いますが、BMWディーラーは日本市場の現実を見て、ブランド・コンセプトの発信を変える必要がある気がします。これまでのような「ストイックなスポーツ性能」を無理矢理にイメージとして植え付けても、クルマの仕上がりとの乖離に「???」な印象を与えるだけで、良識のある自動車愛好家はどんどん離れていってしまうと思われます。BMWの誇るべきものは、ポルシェやスバルのような「ストイックさ」ではなく、トヨタや日産に追従できるだけの予想外に高い「学習能力」にあります。ポルシェやスバルよりも断然にクルマに対する考え方が柔軟で、それが結果的に販売規模を大きく上回る水準の好業績として現れています。

  最近ではEVモデルの販売でも奮闘していて「バイエルンの理性」といったイメージも発信しつつあるようですが、この3シリーズのガソリンモデルも同様にやはり「理性」が際立っています。輸入車ブランドの中では最もトヨタ的な「マジメさ」をクルマから感じます。そしてトヨタグループでもスバル車からはなかなか感じられないのが「マジメさ」であり「理性」です。今後の新展開のBMWにも大いに期待したいと思います。

  
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2014年10月10日金曜日

スバルとBMWが気づかせてくれたこと・・・クルマ文化論

  話は突拍子もないところから始まりますが、トヨタが日本のモータリーゼーションの復興を真剣に考えているとするなら、その結果「86」の販売を続けさらにスポーツカーのラインナップを増やすことは戦略としてあまり期待できないと思います。バブル期にはシルビアやRX7といったスポーツカーが脚光を浴びましたが、その販売規模は一般車を大きく凌ぐようなものではなく、当時の若者の欲望を満たす存在として祭り上げられるのはやや過大評価という気がします。今も昔もそうですが、とことんストイックにサーフィンやスキー・スノボをやり込む若者が一体どれくらいいたのでしょうか?多くはファッションとしてそれらに接近していた人が大多数だと思います。

  同じようにスポーツカーとストイックなまでに向き合ってきた人がどれくらいいるのでしょうか? むかしヤンチャしていたという行きつけのGSのオッサンの武勇伝を聞いていると、湾岸線で250km/hオーバーの超高速バトルなんて俄には信じ難い話がよく出てきます。32GT-Rってそんなに速かったのか? まあ事の真偽はどうでもいいことですが、結局のところスポーツ走行もサーフィンみたいなチャラいノリでへらへらと行われていただけで、結局はモテたいが最大の動機だったと思います。そんな不純な動機によってよく売れた当時の日本が世界最高のスポーツカーの発信地でロードスター、RX7、NSX、S2000、MR-S、インプレッサSTi、ランエボなど世界を驚嘆させるモデルを次々と作っていたのは事実です。

  トヨタは良質なスポーツカーを次々と作った過去の日本車の栄光を、後世にしっかり伝えるためにスバルと組んで「86」を作ったようですが、やはり本当に日本が世界に誇るべきオリジナルのクルマ文化というのは「ハチロク」ではなく「セルシオ」であって、スポーツカーよりもVIPカーなんじゃないかと思います。レクサスLSに不必要にプレミア価格を付けるのではなく、北米価格(約700万円)で売ることがクルマ人気の回復の特効薬になりうるでしょう。今やLSの価格はじわじわと上昇し、1000万円を大きく超えるグレードがほとんどになってしまいました。元々はセルシオの延長線上のクルマではありますが、そのキャラクターは大きく変わってしまいました。

  先日、神奈川県某所で20系セルシオにブレンボのキャリパーを4輪に仕込むという、奇抜な"Lセグスポーツセダン"を見かけました。せっかくの乗り心地が台無しでは?とは思いますが、しかし高品質時代のメルセデスをターゲットに作られていて、あらゆる基本性能に高い基準を入れたバブル期設計の"モンスターカー"ですから、その潜在能力を最大限に引き出そうとするチューナーの意図もわからなくないです。そしてこれこそが日本車の最大の魅力じゃないか!と・・・。かつてはトヨタだけじゃなく、日産シーマ、ホンダレジェンド、マツダセンティアと車種も揃ってました。急転直下のバブル崩壊でこれらのモデルは十分な成熟を見る事なく、国内市場向けの供給体制は急激にフェードアウトしていきました。最近では日本のお家芸であるハイブリッドを使った復活の動きは見られ、シーマに続きレジェンドも復活するようで期待しています、マツダもディーゼル使ってセンティアを甦らせてはいかがでしょうか?

  メーカーが日本車の魅力を本気で再発掘しようとするならば、レクサスの売上減を甘受した上でセルシオみたいなクルマを再設計・再発売することは、とても重要なことではないかと思います。セルシオとレクサスLSは設計上は同じラインに連なるクルマですが、日本市場においてVIPカーシーンの絶対王者セルシオがレクサスLSと名を変えた時こそが、トヨタが知らず知らずの内に日本のクルマ文化の最も大切な部分を葬った瞬間だったように思います。このサイズのトヨタブランド車は今でもクラウンマジェスタが残されていますが、世界で勝つために鍛え上げられたセルシオと、国内専用車クラウンを拡大しただけのマジェスタでは大きく意味合いが違います。

  「VIPカー」と聞くと、マナーの悪い若者がわがもの顔で乗っているというネガティブなイメージがあるかもしれません。自動車オーナーなんてのは大なり小なりわがままな存在であって、周囲に対して威圧的な運転をする輩は車種に関係なくたくさんいます。まあ誰でも容易に想像できますが、たまたまデカくて高級そうなクルマに乗っているからというだけで、「VIPカー」だけがけしからん!と目くじらを立てられやすい面は多分にあったようです。

  しかしですよ!1000万円超のLS、Sクラス、7シリーズ、A8、パナメーラ、クワトロポルテ、XJといった現行のLセグセダンにはなんだか"風情"とか"人情"ってものが感じられないんですよ。ちょっとオーナー様には失礼ですが、完全にディーラーにほめ殺しにされて買っちゃいました!って雰囲気が滲み出ています。今でも日本にはクルマに1000万円かけてもいいくらいの高所得者が100万人もいるようなので、好きなクルマを買えばいいと思うのですが、「好きなクルマ」として主体的に選択されていたように思うのがセルシオやレジェンドのような「VIPカー」であり、LSやSクラスというのは「社会的階級」とその生活水準から導き出されるライフスタイル全体の風景を損なわないために消極的に選択されている気がします。レクサス以外の日本車は論外!みたいな脅迫観念を吐露する金持ちを何人も見てきました・・・。

  セルシオやレジェンドならば地方都市の軒先に置かれていても「絵」になりますが、LSやSクラスは白金や麻布十番もしくは鎌倉や葉山といった洗練された住宅地の屋根付き駐車場からスロープを上がって出てこなくてはダメ!とすら思ってしまいます。そこではクルマが主体ではなく、洗練された住環境に置かれた1アイテムでしかないですから、LSがいくらいいクルマだったとしても、不必要な大径ホイールやオレンジに塗られたキャリパーは「下品」と蔑まれてしまいます。こんな窮屈な環境では本質的なクルマ文化の成熟にはつながらないはずです。逆にセルシオが持っていた最大の美徳とは、スバルやBMWのようなクルマ本位の価値観を伴っていながらも、メルセデスを仕留めるほどの抜群の基本性能も同時に持っていることにあったと思います。

  マツダの歴代ロードスター開発者はインタビューの度に複雑なコメントをします。北米ではユーザーの半数は女性であって、ロードスターはオシャレなお買い物車なのだと・・・。アウディが2000年代に確立したブランドイメージは今や勝手に独り歩きを始め、セレブ的生活に憧れる貧乏人相手の商売に色気を出して小型で廉価なラインナップがどんどん増えています。メルセデスもその手の市場に参入を始め、BMWもミニブランドを使ってそのニーズを上手く取込んでいます。1990年代までの武骨なBMWのイメージはすっかり影を潜め、新たに投入されているSUVの新型モデルを見てBMWファンはガッカリの方のため息をつきます。

  やっぱり「武骨な」BMWや日産。そして「オタクっぽい」スバル。それから「ヤンキーっぽい」VIPカーがあってこそのクルマ文化だったように思います。各方面から称賛を浴びている最近のマツダですが、これもなんだか非常に危ういものに感じられます。これで2017年頃にファンの期待にそぐわない"ゆる〜く"なった新型RX7が見事にずっこけたら目も当てられません。未確認情報ではマツダの企画者から600万円超の価格帯が予告されているようですから、かなり際どい立ち位置になるのは間違いなさそうです。アルファロメオやプジョーと争うように超絶ハンドリングなFF車を作っていたスタンスは捨てて、オシャレな街の風景になろうとしているマツダですが、世界販売も株価も思いのほか伸びなかったこの辺で足元を見つめ直した方がいいかもしれません。センティアはマジでどうですか?

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2014年9月23日火曜日

ドイツの「メリーゴーランド」がそんなに楽しいですか?

  ドイツメーカー車を愛好する人々のクルマ選びの基準とは? おそらく割合が高いと思われるのが、クルマそのものというよりもむしろブランドイメージで見ている人で、「メルセデスは格式、BMWはスポーティ、アウディはトレンディ」といったステレオタイプな印象に支配されている様子が、ユーザーレビューなどを読んでいると強く感じられます。そしてそこにドイツ車の一人歩きしてしまった誇張のイメージが追加されていて、まるで80年代の自動車評論を読んでいるかのような、古臭い言い回しで日本車との差異を表現しているケースが多いです。「ドイツ車はブレーキが違う!」と得意になって書いてる人もいますけど、BMW・メルセデスの現行モデルの制動力は、ホンダ、マツダ、スバルの上級グレードと比べたらお話にならない・・・というのが2010年代の常識です。ドイツメーカーでこの3社に匹敵するブレーキの実力があるのは、せいぜいポルシェのスポーツカー(911、ボクスター、ケイマン)くらいなものです。

  そんな細かいことはうだうだ言っていてもしかた無いので話を変えますが、日本車とドイツ車を比べて昔も今も決定的に違う!と言えるものに「メーカーの開発スタンス」があります。日本メーカーの実力を大いに感じることができるモデルは、「スポーツカー」「サルーン」「エコカー」「モノスペース」といった一定の目的を前提に企画されたクルマであることが多いです。話を単純にすると最高のスポーツタイヤそしてコンフォートタイヤを世界のメーカーから選ぶと、日本のタイヤメーカー(ブリジストン、横浜、ダンロップ、トーヨー)の圧倒的な独壇場になってしまうように、"テーマ"が決まっている製品では日本メーカーは圧倒的な強さを発揮するようです。

  その一方でドイツ各メーカーの魅力を端的に表現するならば、ブランドイメージを武器とした「オリジナリティ」溢れる企画力だと言えます。例えばBMWのラインナップを見てみると日本メーカーの基準において「サルーン」や「スポーツカー」に分類できるクルマはほとんどありません。日本市場で販売されるほぼ全てのモデルが、BMWの創造した「特別なジャンル」に属していて、「簡単に尺度が設定できない」「日本車では比較対象にはなりにくい」という意味で今でもベールを纏っています。そのほとんどは分析すると「サルーンにはうるさ過ぎる」し、「スポーツカーには重過ぎる」し、「モノスペース(1&2BOX)にしてはユーティリティーが低すぎる」という意味不明なものばかりです。しかしこれを有り難がるファンがたくさんいるのもまた事実です(別に否定はしませんが・・・)。

  従来はアウトバーンでの追い越し性能を重視した、「GTカー」「ホットハッチ」というジャンルが、走行環境の違いから日本メーカーにはとても真似出来ないものとしてドイツ車(欧州車)のアイデンティティとなっていました。しかし現在では自動車技術が飛躍的に高まったこともあり、生粋のサルーンとして開発されたレクサスの主軸モデルLS・GS・ISが欧州のGTカー以上の強靭で安定したシャシーを持ち、アウトバーンを250km/hで安全に走れる設計がとられています。これにより「GTカー」というドイツのセダンタイプがずっと凌ぎを削って争うことで標榜してきたスタイルは、もはや特別な競争力持たなくなってしまいました。ドイツを代表するGTカーであるBMW M5が現行モデルでは、フェラーリやランボルギーニに対抗する500psオーバーなハイスペックになってしまい自滅したという見方もできますが・・・。

  「ホットハッチ」に関してはトヨタ・ブレイドの廃止とマツダスピード・アクセラの生産休止以降は開発がほぼ止まっている日本メーカーに対して、VWゴルフGTIなどが今でも日本車にはない魅力として一定の存在感(アドバンテージ)を保っています。日本の道路でCセグに200ps以上は一般ユーザーにとってはやはりオーバースペックであり、納得できる燃費が求められるこのクラス(B、Cセグ)の日本車では、なかなか「ホットハッチ」ありきの設計へ舵を切るのが難しいようです。70〜400psといった大きな領域を同一ラインで担当出来るというVWのMQBは日本メーカーのものよりもはるかに高い応用力を持った工法といえるかもしれません。

  ゴルフ7は"GTI"や"R"を日本にもすぐに導入して「ホットハッチ」の伝統をなんとか守っています。しかし今年発売された話題のメルセデスCクラスはドイツ伝統の「GTカー」路線をあっさりと放棄して、日本の国内向けセダンをお手本にしたような「サルーン」への転生を意図しているようです。日本仕様として真っ先に導入した年内発売のグレードは全て直4ターボで、重低音を車内にまで響かせる「ドイツGTカー」のイメージをこのクルマに求めるならばAMG仕様を待つしかなさそうです。直4でも高速の合流で悲鳴を挙げることはないくらいまで車重を下げてきているところは評価できますが、RFTを履いているセダンが軒並み最新のBセグ(コンパクトカー)に乗り心地で負けてしまうという潮流もあり、メルセデスブランドとはいえ500万円以上の高級サルーンとしての価値はないように思います(あくまで貧乏人の意見です)。

  「スポーツカー」でも「サルーン」でもない、そして「GTカー」でもないドイツメーカー車が、最近では日本の道路を我がもの顏で走ってます。見かけると「乗ってる人はとりあえずクルマには興味がない人なんだな」と思ってしまいます。VWゴルフ(GTI・Rを除く)、BMW3シリーズ(M3、HVを除く)、メルセデスAクラス(AMGを除く)が日本で売れ行き好調な3台だそうですが・・・極論・暴論は承知の上で言うと、この3台にはどうしてもプリウスやカローラHVでは置き換えられない「何か」を感じることができません。静粛性や乗り心地だけでなく、最近ではトヨタTHS-Ⅱのレスポンスもかなり改善されてきたので、BMWの8ATはともかく、少なくともVWやメルセデスの簡易DCTよりは上質なフィーリングが味わえます。個人差はもちろんありますが・・・。

  この3台はブランドの「雰囲気」だけでトヨタの一般モデルよりも輝いて見えますけど、クルマにこだわる人から見ればもっとも買いたくない3台ですし、自分とは乗り方の違う実家のお袋さんなどにも絶対に勧めたくないクルマです。あえて買う理由を考えるとしたら、「とりあえず輸入車に乗ってみたい!」という人にはゴルフ、「BMWに乗ってみたい!」なら3シリーズ、「メルセデスに乗ってみたい!」ならAクラスがお手頃なのかもしれません。しかしこの3台に乗っていても、輸入車・BMW・メルセデスの"本物ユーザー"からはバカにされるのがオチですが・・・。そもそもBMWもメルセデスも年収30万米ドルを軽くクリアする顧客へ向けて"本物"が提供されるハイクラスのブランドです。そんな「貴族文化」的な乗り物のブランドイメージを通して、気分だけ少し味あわせてくれるモデルがゴルフ・3シリーズ・Aクラスです。やや失礼な表現かもしれないですが、白馬や馬車に乗った気にさせてくれる「メリーゴーランド」みたいなものだと言えます。

  「スポーツカー」「サルーン」「GTカー」「ホットハッチ」「モノスペース」「エコカー」そして「メリーゴーランド」。日本で売られているクルマはおそらくこの7種類のどこかに分類されます。日本車の中にもアクセラやインプレッサのような「メリーゴーランド」に分類されてしまうクルマもいて、それが意外に人気で売れてたりするので、結局のところ日本人はやはり「見栄っ張り」な人が多いようです。旧型の絶版モデルではありますがトヨタ・セルシオは「サルーン」としての性能は折り紙付きですから、この手のクルマに乗ってるヤンキーを、アクセラのような「メリーゴーランド」に乗っている人が"嗤う"のはちょっと筋違いじゃないか?という気がします。アクセラのクルマとしての正当性なんて、突き詰めればドイツの「メリーゴーランド」よりもいくらか安い!ってくらいなものですから・・・。マツダさん!アクセラもTURANZA(非RTF)を履こうよ!



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↓スバルから実力十分のGTカーが出てきました。もはやラリーで勝つための(わけわかんない設計の)クルマじゃないです。

  

  

  

2014年7月9日水曜日

ヴェゼルユーザーとアクセラユーザーはなぜモメる?

  メルセデスCLAのオーナーがやたらと攻撃的で「怖ぇ〜」みたいなことを前回書いたのですが、実はもっと怖いのがホンダとマツダのファンじゃないかという気がします。マツダ車を愛用するようになってから、その素晴らしさをブログに綴るようになったのですが、しばしば「痛いマツダ好き」の例として、ブログ記事が掲示板に晒されることがありました。リンクを辿ってその掲示板を見てみると、そのほとんどが「ホンダ」と「マツダ」の醜い貶し合いだったりで、なんでこの人々はこんなに欲求不満なんだ?と不思議に思うほど、直線的(短絡的)にお互いに攻撃し合ってます。

  とりあえずこんな「貶し合い」を読んだあとで、両メーカーの看板車種である「アクセラ」と「ヴェゼル」を買いたいとは思わないかもしれません。アクセラには「中国製のブレーキキャリパーが使われている」とか鬼の首を獲ったように書かれていますが、実際のテストではこの中国製ブレーキにBMWもスバルも全く歯が立たないわけですから、とりあえず性能面ではまったく問題ない気がしますが・・・。中国製エンジンが使われているトヨタの高級ミニバンに不具合が多いなんて話は特に聞いたことないですし、むしろ付き合いが長くて「なあなあ」な関係になっている国内大手部品メーカーに不具合が多く発生しているくらいです。マツダが国内大手の東海ゴムと裁判というニュースがありました。このメーカーは生産拠点がすべて日本にあって技術水準も高そうですが、品質基準でマツダが激怒したようです。

  「アクセラ」も「ヴェゼル」もマツダとホンダの「決意」が滲んでいて、これ以上高価なクルマはもう売れないだろうというギリギリの線を狙って作られています。両ブランドともに「アテンザ」「アコード」といった上級セダンがあり、さらにホンダは「レジェンド」を日本に再投入する見通しではあるのですが、そんなことは一切お構いなしな姿勢が見られます。どうやら「ヴェゼル」と「アコード・レジェンド」はクルマの方向性が完全に分かれていてユーザー層も別々になるように想定されているようです。そもそもクラス最強レベルの安全性を誇るアコードをわざわざ好んで買うユーザーは、安全性に疑問が残る小型SUVにはおそらく見向きもしないでしょう。

  ホンダの中でおそらく「大型車」ユーザーと「小型車」ユーザーが完全に分離されていて、それぞれが好むポイントを重点的に強化しています。アコードだったら、衝突安全性・制動力・高級感に重きが置かれていて、ヴェゼルはオシャレ・経済性・安っぽく見えないといった点がポイントになっています。マツダのアテンザとアクセラの間には、ホンダほどには大きな垣根は無さそうに見えますが、おそらく3代目アテンザを購入したユーザーのほぼ全員がアクセラには全く興味なしなんじゃないかと思います。アテンザに魅せられる感覚とアクセラが良いと思う感覚は実際のところ全く別ものです。

  アコードとアテンザのユーザーが言い争う掲示板はあまり見た事がないのですが、ヴェゼルとアクセラのユーザーはなぜここまでバトルし続けるのか? これはあくまで私の考えですが、アコードやアテンザのユーザーは自分のクルマが「一番安い!」と思っていて、その一方でヴェゼルやアクセラのユーザーは自分のクルマが「一番高級で高性能!」だと感じているからではないかと思われます。アコードやアテンザのユーザーにとっては「クルマ」とは自分の愛車がほぼ最底辺で、それよりも高価なセダン・スポーツカーだけがその範疇に入ると考えています。つまりメルセデスAMGやBMWアルピナなど上には上がいくらでもいるから、たとえ自分のクルマがE250や320iよりも良いクルマだと十分に理解していても、そんなことぐらいで粋がっていても仕方がないと思うのです。

  正直言って、街で見かける9割以上の「クルマもどき」には全くと言っていいほど目がいきません。後ろを走っているクルマが「ヴィッツ」なのか「オーリス」なのか「ウィッシュ」なのか「エスティマ」なのかなんて全くどうでもいい話です。そのメーカーのクルマは現行モデルではクラウン・マークX・カムリ・レクサスLS・レクサスGS・レクサスISの6車種しか認識しません。そりゃオマエだけだろ!と言われそうですが、他の中・大型セダンユーザーもおそらく同じ感覚だと思いますよ。

  まだ学生の頃にカローラランクスというクルマに乗っていたのですが、その頃は逆にクラウンとマークXの違いが分らなかったですし、アリストやインスパイアがどこのメーカーのクルマなのかすら怪しかったです。どのクルマに乗ってるかで目線はやっぱり大きく変わってくるものだなと思います。1090kgの車体に190psもあるとそこそこ速いので、若気の至りというのもありましたが、しばしば「オレ様」的な走りをしていたかもしれません。しかし今のクルマに乗り換えてみると、もはや速さなんて1つの尺度でしかないんだな・・・とクルマの奥行きの深さを思い知りました。「アクセラ」と「ヴェゼル」ユーザーの愚かな罵り合いを見ていると昔のアホな自分を見るようでちょっと恥ずかしい気がします。

  マツダとホンダの話に戻ると、現行のアテンザとアコードはお互いに全く別の方向性を模索しているので、「優劣」といった概念があまり浮かびにくいこともあってあまり対立関係にはならないようですが、アクセラとヴェゼルはタイプが違うにも関わらず、デザインやら内装やらで「ガチンコ」でお互いに目障りと思ってしまうようです。結局どちらも言われているほど「個性的」ではなく、むしろ「最大公約数的」なパッケージングに陥っているという証明なのかもしれません。まあ今後はもっと仲良くしてもらいたいものです。


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どちらも良いクルマだと思いますが、一部ユーザーが品位を落としていますね。
 

2014年7月2日水曜日

失礼! メルセデスCLA をダサいと思ってしまう理由。

  基本的にどんなクルマも良い所があって「好き」という立場なのですが、しばしばコイツだけは許せない!困ったクルマがあります。自分で勝手に毛嫌いしといて「困った」というのもなんですが、嫌う理由の99%は「完全にユーザーをナメてる!」と感じてしまうパッケージにありまして、そのクルマに乗ってる人には失礼ですが、「バカじゃん!」っていう軽い軽蔑の念を持ってます。そしてその手のクルマのユーザーってのは、やたらと レビューで訳分かんないことを言ってたりするわけです。「日本車とは安定感が大違い!」とか言われても、否定も肯定もできないですよ。

  本当に偏見で申し訳ないのですが、「VWゴルフ」「VWポロ」「メルセデスA」「メルセデスCLA」「BMW1」「BMW3」辺りのオーナー・レビューを見ていると、面白すぎて結構暇つぶしになります。これと同じようなものが、レクサスが日本に上陸して5年くらいまでやたらと盛り上がっていた、レクサスの掲示板「レクサスマスト」です。ここはいわゆる「勘違いユーザー」の溜まり場になっていて、今改めて読むとこちらが顔を真っ赤にしちゃいそうなマヌケな自慢話がわんさか載ってます。まあレクサスのサービスがこれまで日本には無かったような類いのものだったので、有頂天になっちゃうオーナーの気持ちも分らないでもないですが。

  それでもそんなレクサスのようなサービスが注目されるのも最初だけで、いまではもうすっかり飽きられていて、ディーラーでケーキが出てくる!と未だに喜んでいる人が「ピュア」で可愛らしく思えてくるくらいです。それでも多くの人がレクサスディーラーからさらに高いグレードのクルマを勧められて、うっとおしいなと感じているようですし、そもそもレクサス車を所有するのは、当たり前のことですがよっぽどのお金持ちでないと結構しんどかったりします。しかも最初の頃は新車で購入する客ばかりが乗っていたわけですが、最近では中古車が大量に出回ってますから、見るからに怪しげな風貌の若者(DQN)が、セルシオに似ていた時代のLSなんかを好んで乗ってたりします。レクサスもその対策として、一目で別のクルマと分るグリル変更を施しているわけですが、これで買い換えを余儀なくされてしまった初期形オーナーって結構多いんじゃないかと思います。

  700万円近くしたレクサスGS430がたった5年でまさかの二束三文・・・ちなみに中古車なら150万円くらいで買えます。まったく予期せぬリセールの暴落と、それに追い打ちをかけるようなデザイン変更を繰り返すレクサスの方針に怒りを感じ、二代目GSへの乗り換えなんかするか!と絶縁宣言をして、ライバルのドイツブランドに目を向けると、信じられないくらいに安いメルセデスCLAという新型モデルが・・・そして迷わず購入! そんな感じのオーナーがメルセデスCLAには多いのではないかと想像してます。去年初めて輸入車のシェアが10%を超えたらしいですが、レクサスの乗り換えをメルセデスとVWが上手く「山分け」していったのではないか?という気がします。

  そして案の定というか、日本車が大嫌いなCLAオーナー様がこんどはメルセデスの「面汚し」を始めているんですかね? とにかくCLAのレビューが面白過ぎてお腹痛いです・・・。まずクルマの良さを見つける目聡さがハンパないです!「ランフラットタイヤだけど、日本車よりも断然に静か」とか言ってくれています。CLAのロードノイズに満足できるならば、もう日本で売られているクルマなら何でもOKじゃないですか? 「日本車」よりも断然に静かと錯覚してしまうくらいに「メルセデスのオーラ」ってのはユーザーを飲み込んでしまうんですね・・・。

  レクサス、VW、マツダ、スバルが、ユーザーに散々に文句いわれ続けて、必死に世界トップレベルの「静音」と「シート」を作り上げていたりするんですが、メルセデスクラスになると、スズキワゴンRと共通の安価な部品をたくさん使ってても「最高!」と言ってくれる・・・これぞ本当の「ブランド力」なのかもしれません。もはやスバルとメルセデス(の廉価グレード)なんて同じ土俵では比べてはいけないレベルです。なんだか端でみていると、「任天堂とD.N.A」を比較しているような噛み合わせの悪さを感じます。ゲームにウルサイユーザーに叩かれ続ける任天堂と、無知なスマホユーザーから搾取を続けるD.N.Aみたいに両者がおかれている環境は違いますね。要するにどういうユーザーを集めるかによって、商品も変わってきますし、ユーザーのレビューも180度違うものになってしまうということのようです。

  別にメルセデスが悪いとかメルセデスユーザーがオカシイとか言うつもりはあまりないのですが・・・。まあD.N.Aのゲームのレビューなんて見た事ないですけど、CLAのレビューには「スマホでゲームやってる時代のユーザー」という印象がチラついてしまうんですよね。なんか思いっきりバカにしてて申し訳ないのですが、クルマ業界全体がD.N.Aになってしまうのは嫌なので、トヨタもVWもスバルもマツダも頑張れ!とは思います。

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2014年6月28日土曜日

日本車がバカにされても、日本代表が負けても・・・やっぱり悔しい。

  日本代表が負けると、必ずと言っていいほどメディアに登場するのがセルジオ越後という「ご意見番」とか呼ばれているオッサン。まあこの人が今回何を言ったかなんて詳しくは知らないですけど、このオッサンの発言の根底には母国?ブラジルへの限りない愛国心が満ちあふれているのを誰もが感じていますよね。つまりこのオッサンが持っている日本に対しての愛情なんてブラジルに対するものに比べたら「無い」に等しいレベルだから、日本人サッカーファンの神経を逆なでするような「侮辱的」発言を平気で繰り返しているわけです。

  例えば日本人のサッカーファンが、お隣の韓国が負けた試合を評したコメントなどをみてると、それこそ「ちゃんとサッカーやれ!」とか「格闘技はやめろ!」とか韓国人が見たら「逆上」しそうなことを好き勝手言ってますよね。セルジオ氏のコメントなんてまさにこれと同レベルなんじゃないの?と感じるのですが、ビックリすることに「セルジオ氏が正しい!」と真顔で言ってる日本人(?)が結構いるみたいなんです。日本代表が負けて、それをダシにセルジオ氏は日本をバカにしたいだけで「遊び半分」にコメントを発しているのに・・・それを受け取って「同意!」なんてどういう神経してるんだろう。日本のサッカー好きが韓国サッカーをバカにしつつ発した言葉に「同意!」とか言ってる韓国人がいたらただただ驚くと思うのですが・・・。

  突然サッカーからクルマに話が変わって恐縮ですが、とある評論家が日本車を完全にバカにした口調で批評しているのを見かけたら、その時は「同意!」というべきでしょうか。それとも「激しく反発」だか「憤り」を感じるべきでしょうか。 「そのクルマの車種による」なんて悠長な意見もあるかもしれませんが、「トヨタや日産にはとても無理」みたいなこと言われたらこれはもはや「批評」ではなくて「偏見」じゃないか?って気になります。これまで世界中の自動車メーカーに技術を提供し、フェラーリ、マセラティ、BMW、アウディといった名だたるブランドでデザイナーとして活躍する人材を輩出してきた日本の自動車産業が生み出しクルマが「ダメ」だったら、他のどの国のクルマはそれ以下の「ダメダメ」だらけなんだろうな!ってことになりませんか?

  自動車評論の世界では、まるで日本国籍を捨てているのか?と思われるような激しい口調で日本車を完全否定する"セルジオ越後"みたいな人がたくさん居るんですよね。特定の車種というわけでなく、「日本メーカーが作っているだけで論外」くらいのニュアンスの人すらいます。まあプロのお仕事なんで私ごときが口出しするのも筋違いではあるんですが、ノートやカローラが罵倒され、プジョー208やフィアットパンダが絶賛されている「間違いだらけのクルマ選び」などを読むとやはり「違和感」を通り越して「憤り」を感じてしまいます。こういう本や評論を読んで増長した素人は、「日本人には高級車は作れない!」とか「日本車がデザインで輸入車を超えるのは無理!」とか平気で言い出すわけです・・・。

  アウディのイメージを確立したあの「A6」も、マセラティ史上最高のデザインと言われる「クワトロポルテ」も、BMWが誇る名車あの「5シリーズ(E39)」も全て日本人がデザインしているというのに。そんなことを知ってか知らずか・・・それにしてもなんと「自虐的」なアイデンティティなんだろう!と思います。あくまで一般論ですが英国の評論家もイタリアの評論家も自国の自動車産業には最大限の敬意を払っているのがよくわかります。彼らは「最悪の性能のクルマ」の例にはフランス車を挙げますし、「最悪のデザインのクルマ」の例にはドイツ車を挙げるのが一般的です。アメリカ人のライターもまた同様で「最高に退屈なセダン」の例を挙げる時には大抵は「トヨタ・カムリ」を使いやがります!!!例え性能面でカムリに適わないと分っていてもシボレー・マリブやフォード・フュージョンを挙げることはほぼありません。

  余計なお世話かもしれませんが、そんなに輸入車が好きならば、日本のジャーナリストもこれからはこうした「国際ルール」に倣って、カッコ良く評論をしたらどうかと思います。とりあえず多くの同意が得られるであろう例として、「デザインが最低のクルマ」にはE90の3シリーズを、「最も退屈なクルマ」にはメルセデスの現行Aクラスを強くオススメしたいですが・・・(オーナーさんごめんなさい!)。彼らの脳内では「3シリーズとAクラスはもはや日本車」だからディスられるとマジでムカつく!とかいう展開になっちゃうのかもしれませんが・・・。


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2014年6月26日木曜日

「ミニバンと軽自動車ばかりの日本は異常!」(とか言ってるバカ・・・)

  某有名なスバルの販売店の社長が、ちょっと前に自身のブログで「最近のトラックは高速道路の追い越し車線を平気で塞ぐから迷惑だ」なんて書いてました。日本中のスバリストの崇拝を一身に受ける影響力のある社長さんにしては、やや軽卒な言葉だったんじゃないかという気がします。東京と関西の間の400~500kmを5時間程度で走破するわけですから、先を急ぎたくなる気持ちも分りますし、当然にイライラもするでしょう。しかし残念ながらこういう意見は「自動車好き」という狭いコミュニティでしか受け入れられなくなってきて無くなってきています。

  職業ドライバーではない一般の自動車ユーザーなんてのは、世間一般でみれば「喫煙者」みたいなものです。喫煙者が分煙していない飲食店で、となりに居合わせた人に混雑を理由に喫煙を自重するよう注意されたら、イラっとするでしょうが、そのことをブログで書いたところで、世間からは「そりゃ当たり前だろ!」と叩かれるのがオチです。この社長の言い分もまた喫煙者のそれと大して変わらないところに位置しています。高速道路というインフラは日本の物流を支えるトラックのために作られているのであって、マイカー所有者が気持ちよく走るためのものではない!という当たり前のことを、自動車好きはしばしば忘れがちです。そもそも気がついていない人すらいそうです。そして「自動車」を生業としているこの社長ですらも、そのことを理解していないかのような言動に走った事が、そもそも大きな問題だと思うのです。

  クルマなんて興味もない一般の人からみれば、この社長の言葉は単なる「驕り高ぶり」にしか感じないです。しかし「自動車好き」という頭のオカシイ連中は、この言葉を真に受けて「スバルを販売している◯◯社長が言っているのだから、トラックのマナーが悪いのは明白だ!」と勢いづいて、高速で前に立ちふさがったトラックが所属する運送会社に苦情を入れたりする人が後を絶たなかったりします・・・。なぜ「クルマ好き」と「一般の人々」の間にこれほどの温度差があるのか? 一概に批判は出来ませんが、一番の根本原因は「クルマ好き」が勝手に道路上のルールブック(権威)になっているからだと思います。「自分は周囲の人よりもクルマに対して深い知識を持っている!」という思い込みが増長して、道路上で起こる自分にとって不愉快なことを全て不法行為と見做してしまう傾向があるからです。

  「クルマ好き」というのは、おそらく統計を採ったらわかるでしょうが、一般の人よりも知能レベルが劣る傾向にあります。「勝手なこと言うな!」という反論もあるかもしれませんが、某自動車SNSに寄せられる投稿の数々を見ていれば、彼らがいかに本を読まないクズ人間かがすぐに分りますし、某巨大掲示板の自動車スレッドは「集合知」などでは決してなく「集合愚」に堕ちています。クルマの知識を深める情報などほとんどなく、閲覧したあとの率直な感想は、「イタいヤツってたくさんいるんだな・・・」ってなものです。特に「レク◯ス」「B◯W」「メル◯デス」関連のスレッドに集う人々のカスさは異常です。「人の振り見て我が振り直せ」というならば見る価値はあるかもしれませんが、バカ過ぎて頭おかしくなっちゃいますよ・・・変な中毒性もありますし、まあ時間の無駄です。

  「ミニバンと軽自動車ばかりの日本は異常!」とか本気で正論だと思っている人がわんさかいます。交通機関の有用性を考えたら、ミニバンを選ぶ人のほうがよっぽどスポーツカーやハッチバック、セダンに乗っている人よりも賢明な選択をしていることは自明です。乗車定員5人以下のクルマなんて社会負荷が高い自己満足に過ぎません。「クルマ好き」は横を走っているミニバンや軽自動車に対して軽蔑の念を持つかもしれませんが、それと同時に3列シート(ミニバン)のクルマに乗る人から、「そんなチンケなクルマで粋がってんじゃねえ!」と思われているわけです。ミニバンや軽自動車の割合が高い日本は、世界の最先端を行っているのです。そして欧州車にも軽自動車並みの64ps程度のクルマなんかいくらでもありますし、ミニバンの人気も年々高まっています。

  スポーツカーやハッチバック、セダンを楽しむ人は、世間一般からみれば「オタク」みたいなものです。屋根裏部屋で鉄道模型を楽しむ趣味と大して変わりません。ですから人目を避けて、早朝や深夜にこっそりと楽しむのが正しいですし、仕事中のトラックが通る新東名や東北道だったり、一般のクルマが溢れる時間帯に堂々と繰り出して周りに文句を言うなんて愚かなことは絶対にしてはいけないと思います・・・。


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