2018年7月9日月曜日

クラウンもカローラスポーツも想定レベル。




「良さそう」に見えるだけ!?

クラウンとカローラスポーツは、なんだかトヨタ経営陣の意地みたいなものが見え隠れします(もちろん悪い意味で!!)。いよいよ「モリゾー・ワールド」が全開となりつつあるトヨタの新型車ラインナップはどれもスッキリしない。大義名分が大好きみたいで、トヨタ開発車は今後はトーションビームを廃止する!!といった高性能宣言が出されたりしていますが、どうも「日本のクルマ好き」の多数派/主流派に感覚が近いとされるモリゾー社長の考える『理想』に、開発部門の方向性が散々に引っ張れた結果、どーしようもなく無個性なクルマが量産されている気が・・・!?


トヨタとマツダは対極だった・・・

  「オマエの趣味はどーでもいい」って言われそうですけども、私はよっぽどのことがない限りはトヨタ車を買うことはない。なぜならマツダ車がとっても好きだから。10年くらい前まではマツダ車とトヨタ車は完全に水と油だった(実家のプレミオの走りはマツダ乗りにはおぞましい・・・)。ハッキリ言っては失礼だけども、トヨタ車なんてクルマじゃねーと思っている。評判モデルはどれも乗りに行くけども、ほぼ例外なく、ちょっと試乗しただけで、嫌なフィールがあちこちから出てくる。もちろんマツダとトヨタの中間くらいにある、ドレッシング見たいなドイツメーカー車やスバル車を喜んで買う人の気持ちもわからなかった(今もわからない)。



トヨタ/レクサスからもう名車は生まれない・・・


  最もショッキングだったのは、新型シャシーで登場したレクサスIS・350Fスポに乗ってみて全く気分が高まらなかったときかも。あまりに掌返しが強烈な絶賛レビューも飛び交っていて、トヨタが本気でBMWを倒しにいった!!とかで、まあとりあえずレクサスディーラーにマツダ車で突撃しようという気になりました。レクサスGSも5m級のサルーンとしては絶妙だったので、ISではどんな塩梅かと期待してみたものの、GSを4.7mに縮めただけじゃね!?ってなフロントヘビーで残念な操舵。マツダ車で試乗に行くと輸入車などほぼノーインパンクトなのでISだけが悪いわけじゃないけども・・・。


メルセデスがダメな理由

  レクサスISに関しては「軽量化よりもNVHに主眼を置いた高級車向けV6エンジンでスポーツセダンを作る」という本質的矛盾を抱えたままだったのがまずかった。ドイツ車をベンチマークしてたらそうなるのだろうけど、これじゃ歴史的名車など生まれるわけもない。W124の名声を超えるEクラス、Cクラスがなかなか作れないメルセデスを見てればわかるでしょ!?歴史的な名車を作りたいならもっと自由にやらないと。開発のスタートラインがすでに終わっていると言ってもいいかも・・・。


社長のセンスが絶望的

  レクサスIS。このクルマがいい!!という人は一体どんな人なんだろう。BMW340iMスポの上位互換モデル・・・ってだけで商品が成立していて、いかにもカーメディアからウケるモデルだったとは思うけども、セールス的には北米、欧州、日本、中国のいずれも惨敗(実際にお金を払う市場のユーザーは賢い)。ほぼ全市場で3シリーズのシェアを減らして「黒歴史」となったF30系よりはよっぽどマシと言う人もいるかもしれないけどさ。


トヨタの名車とは・・・

  日本車を代表するスポーツセダンになるはずのレクサスISが「あのクルマは何?」状態のままモデル末期を迎えることになるとは・・・。そしてレクサスISと同じく「どこぞのドイツブランド車の互換」路線のままに新型クラウンと新型カローラハッチバックが登場してきたようだ(懲りてない!!)。トヨタは日本市場とアメリカ市場で売れている車種が全く違うのでややこしいけども、日本ではアクア、アルファード、プリウス、ハリアーなど「オリジナリティ」溢れるモデルでシェアを維持してきた。


内部では何が起こっている!?

  ホンダやマツダがグローバルモデルばかりのラインナップなのに対して、新型になってもほぼ国内専売だというクラウン。国内専売の使い勝手の良さで優位にシェアを築いてきたトヨタなのに、社長は欧州ブランドやマツダに憧れている様子。案外トヨタの内部はゴチャゴチャしているんではなかろうか。利益2兆円という状況が不協和音をかき消しているけども、奥田、張、渡辺など、うるせー相談役を片っ端から処分したとかいう報道も・・・。


歴史的名車

  ドイツブランド車に近い雰囲気を持っていれば、カーメディアへのウケはいいけども、かつての日本メーカーの歴史的名車ってのは圧倒的な「オリジナリティ」があった。プレリュード、レガシィSW、プリメーラ、アテンザといったモデルは欧州車を連想させるし、欧州市場でも高く評価されたけども、乗った瞬間に脳みそが溶けそうな「決定的」な何かを持っていた。もうずっとこの車の生産を続けて欲しい!生涯これに乗り続けていたい!!ってくらいに熱狂ファンを集めるクルマだった・・・。


改めて・・・トヨタ&BMWは終わっている!!

  レクサスISも新型クラウンも新型カローラハッチバックも、トヨタの自信作で、相対的にパラメータも高く、コスパもいいのだと思う。しかしそのジャンルの既存勢力をことごとくぶっ潰すような「刷新」を感じない。どちらも「THS」車というトヨタのネガティブなシリーズに連なる汎用モデルの域を出ない。そして廉価版のガソリンターボも全くやる気がない。トヨタ「THS」とBMW「ZF&5000rpm」。この2つのシリーズは言葉汚く罵らせてもらうと「スポーティ詐欺」だ。本田宗一郎やエンツォ=フェラーリの掲げる理想とは真逆の存在であり、エンスー趣味とは180度逆の方向へ突き進んでいる。この2ブランドには謹んで『NO!!』を突きつけたいと思う。




2018年6月21日木曜日

新型カローラ・ハッチバック発売で日本のクルマ文化は滅びる!?




トヨタ本気の価格設定

  クラウンと同日にカローラハッチバックも発売されるらしい。1.8Lハイブリッドとか1.2Lターボとか全くやる気を感じないユニットですけども、先代モデルのオーリス1.2Tが特別グレードのみで259万円だったのに対して、今回のカローラハッチバックでは同じユニットで210万円まで価格が下がるらしい。オーリス1.2Tと同等の装備を予想させるFFの最上級グレード『GZ』のCVT版でも、241万円なので実質値下げ。2兆円の利益を還元したトヨタ得意のダンピング戦略!?


プリウスが招いた危機的状況

  プリウスが徹底的に破壊してしまった日本市場のCセグメントは、自動車メーカーにとっても悩みのタネ。お隣の中国では150万円くらいで各メーカーがお手頃なCセグモデルを用意しているのに、あまり売れない日本では販売店へのマージンが大きくなりすぎて300万円が当たり前になってきている。プリウス、ゴルフ、プジョー308、シビック、アクセラ、インプレッサを選べばとりあえず250万円〜。Aクラスや1シリーズの未使用中古車もだいたい250万円に設定。150万円くらいならボーナス2回と幾らかの貯金でまかなえたけども、250万円だとローン地獄がちょっと頭にちらつく・・・そりゃN-BOXでいいやってなります。


どーせ売れないから『利益率』重視にシフト

  リーマンショック以降、150万円クラス、250万円クラス、350万円クラスの3階級が分かれ、ユーザーに合理的にモデルを判断してもらおう、適正価格で販売しようという意図もあってか、日本メーカーの各モデルはそれぞれのポテンシャルに合ったクラスへと主力モデルをカスタマイズしています。その結果、軽自動車の競合となる150万円クラスからは普通車モデルが次々と撤退。スバルや三菱などは完全撤収。日産も輸入モデルのマーチ以外は上の価格帯にずれ込んでいます。


空洞化した低価格帯を海外モデルが狙う時代・・・

  トヨタも欧州向けと統合されるヴィッツ(ヤリス)と、ダイハツからのOEMモデルを除いては150万円クラスの設計/製造からは離脱の方向です。ホンダ、マツダもそれぞれフィット、デミオのFMC後には離脱が予想され、残るはスズキとダイハツのみに。どうやらここにVW、フィアット、ルノー、PSAなどの欧州7000ユーロクラスモデルは『商機』を見出しているようです。ダイハツもプロドア製造モデルとか持ち込んで対抗しそうな予感。


トヨタ支配へのレジスタンス

  絶対王者プリウスとC-HRを250万円クラスのど真ん中に据え、アルファード、ハリアー、カムリを350万円クラスに配置。トヨタはこのフォーメーションで2階級を封鎖し、敵対するオデッセイもシビックもアテンザも「完封」する予定だったようですが、予想外にセレナ、ノートe-POWER、リーフ、レヴォーグ、CX8などが包囲網を次々と突き破り、スマッシュヒットをなし遂げていて、市場の反発はなかなか抑えられないようだ・・・。


試乗したら大体やられる

  トヨタのマーケティングが凄いのはわかる。トヨタが売れるのもわかる。サイトを見比べても日本のすべてのメーカーの中でもっともわかりやすいし。クルマの長所はよく伝わるし、トヨタだから安心って気持ちもあるだろうし、実際に色々なモデルに乗ってみるとあらゆるフィールがソフトで上質に作りこまれているのも確かだ。


86は衝撃だった

  あの86もクイックなレスポンスにも関わらず、嫌な突き上げなどは抑えられていてほぼ全速域で感じなかったし、ボデー骨格が甲殻類をイメージするようなビリビリした硬いフィールこそあるけども、マツダやメルセデスが乗り心地の面で露骨にやらかすような初歩的な『瑕疵』は起きていない。マツダとメルセデスのリアシートは課題が多い。河口まなぶさんも言っていたけども、カローラハイブリッドの乗り心地はなかなか凄いことになってるってさ・・・。


トヨタを買うしかないのか・・・

  メルセデスからスズキまで多くの自動車メーカーが売りたいと思っている日本の250万円市場。そのど真ん中にそびえ立つプリウスとC-HR。乗用車部門のトップがプリウスで、SUV部門のトップがC-HRで狙い通りに完全制圧。さらに取りこぼしを防ぐために、210万円〜からカローラハッチバックとC-HRの1.2ターボFFモデルを投下。市場制圧と共に、欧州ダウンサイジングターボよりもトヨタTHSの方が高級なユニットであることをアピール・・・。


来年の決戦はどーなるのか!?

  どこかにトヨタの完璧なる販売戦略を粉砕してくれるメーカーはないのか? 来年には某日本メーカーがハイテクユニットと超絶デザインで250万円クラスに特攻をかける予定だけど、どーなることやら・・・。スバル、ボルボ、VW、MINI(BMW)、ルノーはこのままトヨタによって市場が死滅していくのを指をくわえて見ているままなのだろうか・・・。



  



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2018年6月10日日曜日

新型Aクラス と 〇〇が踊る季節がやってきた・・・憂鬱

 

バカが沸く2018/2019

  またあのクルマが帰ってきた・・・。2013年に日本市場でちょっとしたブームを巻き起こしたメルセデスAクラスですが、ちょっと尻切れトンボな感じで終わってしまった。VWゴルフ7に勝負を挑むも格の違いを見せつけられ、そのゴルフ7も2014年に登場したトヨタ・プリウスの前に手も足も出ず、グローバルでは販売台数ガタ落ち。Aクラスの挑戦は不発、ゴルフ7は大炎上・・・。


なぜAクラスでマウンティング!?

  ニワカなAクラス乗りやゴルフ乗りが、クルマブログにイチャモンをつけてくる。「日本車」っていう意味不明なジャンルを作り出し、意味不明なマウンティングを仕掛けてくる。いや、あなたが乗っているクルマ(Aクラス)の基本設計こそが日本メーカー由来のものなんですけども・・・と言ったところで相手は何のことだか理解できないだろーしな。またバカがウジャウジャ湧いてくる2018/2019年になるのかな。面倒くせー。


一般論

買う前にクルマブログ読め!!って思うんですけども、カーメディアの口車に乗ってどんなクルマを買わされているんだ!?って話です。いやらしい話ですけども、カネ無いのにメルセデスを買ったら、そりゃそこかしこで笑われますよ。ご近所でも親戚でもドライブ先でもディーラーでも。クルマブログを読むくらいの見識があるならば、クルマ選びなんてまず迷わない、黙ってフラッグシップを買うだけ。メルセデス、BMW、アウディ、レクサスなら1000万円、ホンダ、ボルボなら700万円、VW、日産、トヨタなら500万円、マツダ、スバルなら350万円・・・予算に合わせて選ぶだけ。


Aクラスとは・・・

  フラッグシップでないモデルは「おまけ」みたいなものです。特にブランドの下位グレードのクルマなんて、満足度など高いはずがない。だってそこで満足させてしまったら上のグレードのクルマが売れなくなるからさ。トヨタやVWなんて最初からレクサス、アウディには勝てません!!という「設定」になっている。レクサスやアウディには手が届きませんというごくごく平均的な可処分所得を持つ世帯向けのブランドです。そんな両ブランドにコテンパンにやられた現行Aクラスは、やはり乗ってすぐに気がつくくらいに操縦時の「違和感」が相当なので、まあ「やり直し」が妥当な評価だと思いますが・・・。


全てはカーメディアが悪い

  メルセデスが、Dセグで3シリーズを倒すためにCクラスを送り込んだのが1980年。結果的にBMWを廃業に追い込むことはできず、今度はCセグでゴルフをぶっ潰すためにAクラスを徹底的にブラッシュアップして日本市場で激戦を展開しました。激戦というより凡戦だと思うんですけども、日本のカーメディアは頂上決戦だとか騒いだり、VWからお金を貰って?Aクラスを叩くメディアも多数ありました。


2Lモデルなら・・・いや実力不足。

  個人的に「ゴルフ7GTI」と「A250シュボルト」の2Lクラスを乗り比べた感じでは、ゴルフの方が走りは上、しかし内装ではAクラスが良かったかな・・・といったところ。どちらも中途半端な作り込み具合がいかにもドイツ車らしい。ホンダ、日産、マツダ、シトロエンなどがライバルを倒す時は徹底的にやりますから、そういう「熱い系」が好きな人にはちょっと物足りないでしょう。300万円前後の新古車なら悪い買い物ではなさそうですけども。


Aクラスで儲けるらしい・・・

  現行(3代目)を超えるインパクトを、基本設計が同じままで狙う新型(4代目)が欧州で発表されたらしい。上級SUVが全然売れない日本にしびれを切らしたメルセデスは、「中国・日本戦略モデル」とされるAクラスのバリエーションを増やして、ゴルフに加えてトヨタ、ホンダのユーザーを切り取りたいようだ。先代はA、CLA、GLAの3タイプだったが、これがA、Aセダン、Aワゴン、CLA、GLAの5タイプになるらしい。全部に『45AMG』とか律儀に設定するのがメルセデスなんだよなー。ワゴンの45AMGが実現すれば、日本には結構好きそうな人が多いかも。

Aクラスが「化ける」ってことがあるのか!?

  河口まなぶさんは、「シャシーも全面刷新」と動画て言ってますけど、どうやら先代のものを改良して使っている模様。三菱から「合法的」に接収したFFシャシーの使い回しには変わらない。しかしカーメディアの手にかかれば、同時期に発表された「エクリプクロス」は設計の古さが隠せないと批判され、「新型Aクラス」はCクラスを超えた乗り味!!と絶賛されている。Aクラスを買ってしまう素人だけじゃなくて、カーメディアも相変わらず頭の中が腐っているようだ。


K口さんは特別仕様車に乗せられたのかな!?

  これで日本仕様の乗り味がひどかったら笑う。K口さんは、「欧州では良かったんですけどねー」って言い訳をするんだろうな。ちゃんと福野さんみたいに「タイヤの銘柄」と特徴を書いてくれよ。もしかしたらメルセデスサイドからNG出てんのか!?ナビや運転支援については書いてもいいけども、サスペンション、アクセルフィール、ブレーキフィールに触れてはいけないっていう契約なのかな。欧州メーカーではプロトタイプやタイムアタック車が「特別装備」ってことは日常茶飯事らしく、日産GT-Rがニュルでタイム出した時もポルシェから濡れ衣の指摘があったっけ。ドイツメーカーは少しは誠実になるべきだ。



  


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2018年5月27日日曜日

2018年最大の『ネタ車」へ BMW・X2のプロモーションがぶっ飛んでいる。

  

お前らは一生クズでいいのか!?= UNFOLLOW

   「UNFOLLOW」ってなんだろう!?他のどんなクルマの影響も受けてません!!これこそがBMWの新しい「御本尊」ですってことなのか!?自ら大きなツッコミどころを用意して、待ち構えているようです。自宅のポストに金色のノートパソコン大のDMが届いて、BMWのDMは1年以上まともに開封したことがなかったけど、これだけ大きいとポイ捨てするわけにもいかずに中を見るとビックリ。価格表すら入ってない・・・。


閉塞感に苛立つBMW・・・

  大きめのパンフレットには、意味がわからないこと(ポエム?)がゴチャゴチャと書いてありました。あまりにも「ネタ力」がありすぎる文章なので、安易に「引用」はやめておきます。読みたい人はBMWのディーラーに行ってもらってみてください。価格表がない代わりに元SMAPの香取くんがイメージキャラクターとして登場します。つまりUNFOLLOWなんですね・・・。


これが一番カッコいい

  別に「偏った」受け取り方ではないと思いますが、このプロモーションが意味することは「FOLLOW」な世界感にとどまっている某ライバルメーカーに対する少々過激なアジテーション。あるいは業界全体が似たり寄ったりで「面白くない」という意のアンチテーゼなのだと思います。すでに発売されているX1の日本仕様から十分に想定できる内容。サプライズが無い訳ではなくて、「18i」はX1よりX2の方が高価格なのに、「20i」になるとX2の方が安くなるという不思議な価格設定に・・・。


エクリプスクロスを買うなんて安易すぎる

  BMWを含めドイツブランドのAWD車は、2WD車に比べかなり割高になりますが、X1もX2も全車「Xドライブ」です。全面的に否定するつもりはないですが、売る方も買う方もちょっとしんどい。同じ1.5Lガソリンターボで比較すると、430万円のX2に対して、300万円の三菱エクリプスクロスがあって、「世界最良のAWD」とかいう評価を得ている訳です。ニューモデルマガジンXの最新号でもエクリプスクロスは日本車では奇跡に近い星5つを獲得。


ニューモデルマガジンXの星5つは『ゴミ見たいなもの』

  つまりエクリプスクロスを選ぶ凡人=FOLLOWで、X2を選ぶ変人=UNFOLLOWってことか!?確かに「星5つ」のクルマ買うなんていかにも「つまらない」人間のやることだと思う。X2がジャッジされる時は星2つくらいだといいね。ちなみに『星2つは名車』という都市伝説を持つこのコーナーです。日本で一番売れているあのクルマと、北米に最も多く輸出されているあのクルマが星2つでした。担当者は非常に見る目があるらしい。


M5すらFOLLOWなのか!?

  BMWといったらやっぱり『M5』なんですよねー。非常に限界性能が高い。最高速度も抜群。加速もスーパースポーツの一級線レベル。しかも4ドアセダンとして日常領域で使える。世界中がこのブランドに畏怖する理由はこれに尽きる訳ですが、その常識すらもUNFOLLOWという意味もあるのかもしれません。どっかの日本メーカーがちょっと前に言ってた「Reborn」と同じ!?


日本の生活水準大丈夫!?

  M5はいいクルマだけどあくまで貴族のマシン。BMWはすべての人に楽しんでもらえるクルマを作りたい。クルマなんかにお金をかけたくないという人には縁がないかもしれないけど、400万円くらいなら下取り100万円、頭金100万円、マイカーローン200万円でなんとかなる!?クルマが好きならば月5万円くらい「クルマ引き当て金」を用意するものですし、2年足らずで100万円くらいの頭金は溜まる。ローン返済は4年だと5万円くらい。それ以外に保険、駐車場、ガソリン代を含め月々15万円を趣味のお金として使える人生をごくごく一般的な労働者が楽しめるのは、G7参加国として最低限の水準じゃないでしょうか!?BMWは「G7最貧国」日本に対してそんな主張をしているのかもしれない。

  


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2014年11月21日金曜日

BMW3シリーズ(2015年モデル)についての所感

  初めに断っておきますが、私はこのクルマ(F30・BMW3シリーズ)はかなり好きです。とりあえず鬱陶しい東京を離れて中部地方の山間部に居を構えるとしたら、地味で飾り気こそないクルマですけども、普段の足にはなかなか良さげなクルマではないかという気がします。ただし新車で買うとなると軽く500万円を超えますから、私のような貧乏人には「普段の足」とか「良さげ」なんて気楽な話じゃ済まないですし、WRX-S4やゴルフGTIなどもう少し安くて400万円ジャストぐらいの乗り出しでも、十分過ぎる性能の「普段の足」が買えます。

  それでもこのF30・3シリーズが持つ「さりげなさ」は特別なものがあります。自分でもよくわからないのですが、クルマに対する愛情がどこからか沸々と湧いくる「風情」があります。一般的に言われている「クルマが軽くて、前後重量バランスが取れている」ことには、それほど感心していませんし、むしろその設計ゆえに「荷重移動」をあまり感じさせないので、ふんわりと「気の抜けた」ような物足りないフィーリングにすら思えます。他のクルマよりもトラクションの変化によるスイング感が無く、よっぽどの傾斜路でも無い限りは絶えず65%くらいのトラクションで巡航していきます(そんな感じです)。トラクションとは本来は絶えず許容範囲内で変化し、95%くらいで発揮されるとアドレナリンが出る?感覚がするものですが、そんな運転の楽しみ(気持ち良さ)を「ごっそり奪う」というやや掟破りの乗り味とも言えます。

  しかし無意識の内に感じて、身体が反応してしまう連続的なトラクション変化は、運転手にとっては僅かながらのストレスにもなります。そしてBMWの愛好家がしばしば貶す一般的な「国産車」はさらにアクセルレスポンスが緩く設定されていたり、CVTによる応答の遅れが重なりそのストレスを増幅させる傾向が見られます。そしてオイル交換が億劫になっているエンジンならば回転数の上昇とアクセルのシンクロが不安定だったりするので、不快感・イライラにつながることもあります。そしてBMWに比べて車体剛性が著しく劣るハイルーフの廉価車(プチバン)などは、コーナー脱出速度が低くなりがちで、減速→加速の連続操作でアクセル&ブレーキそしてミッションが絶えずストレスを引き起こしがちです。

  国産の廉価モデルのそういった特性を、BMWユーザーが徹底的に嫌がるのは、とても的を得ていますし、そう言いたい気持ちもよくわかるのですが、この一連の動作をBMW車と同等以上にストレスフリーに出来てしまう国産車もどんどん増えてきているのも事実です。その一方で従来のBMW車にはサスの固さという別の面で国産車よりもストレスフルになる弱点が顕著にありました。そこでBMWが考えたのが、そういった「メンドクサイ部分」を徹底的に排除しようということで、その意図に溢れた設計になっているのが、F30・3シリーズの8AT装備のクルマです。つまりこのモデルは日本メーカー車を徹底的に研究した上で作られています。320iに設定されている6MTモデルを試してみれば、また違う側面が見られるかもしれませんが、スポーツカー好き(非日本車的要素が好き)を自称する人ならば、とりあえずこの8ATモデルには近づくべきではない気がします。

  3シリーズの8ATを体験していて自分でもこのフィールが好きなのか嫌いなのかよく分らないです。WRX-S4のCVTには少々イライラしましたし、トヨタプレミオのCVTに至ってはアクセルオンから欲しい出力に達するまでのタイムラグがストレスの許容範囲を超えてしまいますから、その点に関してはBMW8ATの優越性はよく理解できます。先述のようなネガティブな面を割り切って考えてしまい、経済性が高く変速ショックも少なめな点を評価して「ストレスのないミッション」という意味ならば、「BMW車購入の理由」として最も多く挙げられるのが8ATなのも納得します。結局のところこの「8AT的価値観」に服従するかどうかが、その人のBMW車への評価を大きく変えるものになると思います。

  「F30は歴代最高の3シリーズ」という判断はもちろん尊重されるべきですが、その判断自体はBMWというブランドの尊厳を傷つけるものと言えます。まあどう判断するにせよ、こういうクルマを作ってしまったBMWにプライドやオリジナリティがやや欠如していることが問題なのであって、ユーザーは別に悪くはありません。乗り出し500万円余りの320iセダンに、その金額に見合う価値があるとしたら、クルマの所作の隅々まで日本車的な「礼儀」が貫かれている点です。そしてこのクルマは本来のBMWの「エンジン屋」イメージからはほど遠く、「Sモード」であってもまだまだ緩い中間加速に気がついてしまうと、まず新車で買う事を渋りたくなります。むしろ400万円で買えるゴルフGTIのほうがそのイメージに適っています。

  こんなことを書くとファンの方に怒られちゃうかと思いますが、BMWディーラーは日本市場の現実を見て、ブランド・コンセプトの発信を変える必要がある気がします。これまでのような「ストイックなスポーツ性能」を無理矢理にイメージとして植え付けても、クルマの仕上がりとの乖離に「???」な印象を与えるだけで、良識のある自動車愛好家はどんどん離れていってしまうと思われます。BMWの誇るべきものは、ポルシェやスバルのような「ストイックさ」ではなく、トヨタや日産に追従できるだけの予想外に高い「学習能力」にあります。ポルシェやスバルよりも断然にクルマに対する考え方が柔軟で、それが結果的に販売規模を大きく上回る水準の好業績として現れています。

  最近ではEVモデルの販売でも奮闘していて「バイエルンの理性」といったイメージも発信しつつあるようですが、この3シリーズのガソリンモデルも同様にやはり「理性」が際立っています。輸入車ブランドの中では最もトヨタ的な「マジメさ」をクルマから感じます。そしてトヨタグループでもスバル車からはなかなか感じられないのが「マジメさ」であり「理性」です。今後の新展開のBMWにも大いに期待したいと思います。

  
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2014年10月10日金曜日

スバルとBMWが気づかせてくれたこと・・・クルマ文化論

  話は突拍子もないところから始まりますが、トヨタが日本のモータリーゼーションの復興を真剣に考えているとするなら、その結果「86」の販売を続けさらにスポーツカーのラインナップを増やすことは戦略としてあまり期待できないと思います。バブル期にはシルビアやRX7といったスポーツカーが脚光を浴びましたが、その販売規模は一般車を大きく凌ぐようなものではなく、当時の若者の欲望を満たす存在として祭り上げられるのはやや過大評価という気がします。今も昔もそうですが、とことんストイックにサーフィンやスキー・スノボをやり込む若者が一体どれくらいいたのでしょうか?多くはファッションとしてそれらに接近していた人が大多数だと思います。

  同じようにスポーツカーとストイックなまでに向き合ってきた人がどれくらいいるのでしょうか? むかしヤンチャしていたという行きつけのGSのオッサンの武勇伝を聞いていると、湾岸線で250km/hオーバーの超高速バトルなんて俄には信じ難い話がよく出てきます。32GT-Rってそんなに速かったのか? まあ事の真偽はどうでもいいことですが、結局のところスポーツ走行もサーフィンみたいなチャラいノリでへらへらと行われていただけで、結局はモテたいが最大の動機だったと思います。そんな不純な動機によってよく売れた当時の日本が世界最高のスポーツカーの発信地でロードスター、RX7、NSX、S2000、MR-S、インプレッサSTi、ランエボなど世界を驚嘆させるモデルを次々と作っていたのは事実です。

  トヨタは良質なスポーツカーを次々と作った過去の日本車の栄光を、後世にしっかり伝えるためにスバルと組んで「86」を作ったようですが、やはり本当に日本が世界に誇るべきオリジナルのクルマ文化というのは「ハチロク」ではなく「セルシオ」であって、スポーツカーよりもVIPカーなんじゃないかと思います。レクサスLSに不必要にプレミア価格を付けるのではなく、北米価格(約700万円)で売ることがクルマ人気の回復の特効薬になりうるでしょう。今やLSの価格はじわじわと上昇し、1000万円を大きく超えるグレードがほとんどになってしまいました。元々はセルシオの延長線上のクルマではありますが、そのキャラクターは大きく変わってしまいました。

  先日、神奈川県某所で20系セルシオにブレンボのキャリパーを4輪に仕込むという、奇抜な"Lセグスポーツセダン"を見かけました。せっかくの乗り心地が台無しでは?とは思いますが、しかし高品質時代のメルセデスをターゲットに作られていて、あらゆる基本性能に高い基準を入れたバブル期設計の"モンスターカー"ですから、その潜在能力を最大限に引き出そうとするチューナーの意図もわからなくないです。そしてこれこそが日本車の最大の魅力じゃないか!と・・・。かつてはトヨタだけじゃなく、日産シーマ、ホンダレジェンド、マツダセンティアと車種も揃ってました。急転直下のバブル崩壊でこれらのモデルは十分な成熟を見る事なく、国内市場向けの供給体制は急激にフェードアウトしていきました。最近では日本のお家芸であるハイブリッドを使った復活の動きは見られ、シーマに続きレジェンドも復活するようで期待しています、マツダもディーゼル使ってセンティアを甦らせてはいかがでしょうか?

  メーカーが日本車の魅力を本気で再発掘しようとするならば、レクサスの売上減を甘受した上でセルシオみたいなクルマを再設計・再発売することは、とても重要なことではないかと思います。セルシオとレクサスLSは設計上は同じラインに連なるクルマですが、日本市場においてVIPカーシーンの絶対王者セルシオがレクサスLSと名を変えた時こそが、トヨタが知らず知らずの内に日本のクルマ文化の最も大切な部分を葬った瞬間だったように思います。このサイズのトヨタブランド車は今でもクラウンマジェスタが残されていますが、世界で勝つために鍛え上げられたセルシオと、国内専用車クラウンを拡大しただけのマジェスタでは大きく意味合いが違います。

  「VIPカー」と聞くと、マナーの悪い若者がわがもの顔で乗っているというネガティブなイメージがあるかもしれません。自動車オーナーなんてのは大なり小なりわがままな存在であって、周囲に対して威圧的な運転をする輩は車種に関係なくたくさんいます。まあ誰でも容易に想像できますが、たまたまデカくて高級そうなクルマに乗っているからというだけで、「VIPカー」だけがけしからん!と目くじらを立てられやすい面は多分にあったようです。

  しかしですよ!1000万円超のLS、Sクラス、7シリーズ、A8、パナメーラ、クワトロポルテ、XJといった現行のLセグセダンにはなんだか"風情"とか"人情"ってものが感じられないんですよ。ちょっとオーナー様には失礼ですが、完全にディーラーにほめ殺しにされて買っちゃいました!って雰囲気が滲み出ています。今でも日本にはクルマに1000万円かけてもいいくらいの高所得者が100万人もいるようなので、好きなクルマを買えばいいと思うのですが、「好きなクルマ」として主体的に選択されていたように思うのがセルシオやレジェンドのような「VIPカー」であり、LSやSクラスというのは「社会的階級」とその生活水準から導き出されるライフスタイル全体の風景を損なわないために消極的に選択されている気がします。レクサス以外の日本車は論外!みたいな脅迫観念を吐露する金持ちを何人も見てきました・・・。

  セルシオやレジェンドならば地方都市の軒先に置かれていても「絵」になりますが、LSやSクラスは白金や麻布十番もしくは鎌倉や葉山といった洗練された住宅地の屋根付き駐車場からスロープを上がって出てこなくてはダメ!とすら思ってしまいます。そこではクルマが主体ではなく、洗練された住環境に置かれた1アイテムでしかないですから、LSがいくらいいクルマだったとしても、不必要な大径ホイールやオレンジに塗られたキャリパーは「下品」と蔑まれてしまいます。こんな窮屈な環境では本質的なクルマ文化の成熟にはつながらないはずです。逆にセルシオが持っていた最大の美徳とは、スバルやBMWのようなクルマ本位の価値観を伴っていながらも、メルセデスを仕留めるほどの抜群の基本性能も同時に持っていることにあったと思います。

  マツダの歴代ロードスター開発者はインタビューの度に複雑なコメントをします。北米ではユーザーの半数は女性であって、ロードスターはオシャレなお買い物車なのだと・・・。アウディが2000年代に確立したブランドイメージは今や勝手に独り歩きを始め、セレブ的生活に憧れる貧乏人相手の商売に色気を出して小型で廉価なラインナップがどんどん増えています。メルセデスもその手の市場に参入を始め、BMWもミニブランドを使ってそのニーズを上手く取込んでいます。1990年代までの武骨なBMWのイメージはすっかり影を潜め、新たに投入されているSUVの新型モデルを見てBMWファンはガッカリの方のため息をつきます。

  やっぱり「武骨な」BMWや日産。そして「オタクっぽい」スバル。それから「ヤンキーっぽい」VIPカーがあってこそのクルマ文化だったように思います。各方面から称賛を浴びている最近のマツダですが、これもなんだか非常に危ういものに感じられます。これで2017年頃にファンの期待にそぐわない"ゆる〜く"なった新型RX7が見事にずっこけたら目も当てられません。未確認情報ではマツダの企画者から600万円超の価格帯が予告されているようですから、かなり際どい立ち位置になるのは間違いなさそうです。アルファロメオやプジョーと争うように超絶ハンドリングなFF車を作っていたスタンスは捨てて、オシャレな街の風景になろうとしているマツダですが、世界販売も株価も思いのほか伸びなかったこの辺で足元を見つめ直した方がいいかもしれません。センティアはマジでどうですか?

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2014年9月23日火曜日

ドイツの「メリーゴーランド」がそんなに楽しいですか?

  ドイツメーカー車を愛好する人々のクルマ選びの基準とは? おそらく割合が高いと思われるのが、クルマそのものというよりもむしろブランドイメージで見ている人で、「メルセデスは格式、BMWはスポーティ、アウディはトレンディ」といったステレオタイプな印象に支配されている様子が、ユーザーレビューなどを読んでいると強く感じられます。そしてそこにドイツ車の一人歩きしてしまった誇張のイメージが追加されていて、まるで80年代の自動車評論を読んでいるかのような、古臭い言い回しで日本車との差異を表現しているケースが多いです。「ドイツ車はブレーキが違う!」と得意になって書いてる人もいますけど、BMW・メルセデスの現行モデルの制動力は、ホンダ、マツダ、スバルの上級グレードと比べたらお話にならない・・・というのが2010年代の常識です。ドイツメーカーでこの3社に匹敵するブレーキの実力があるのは、せいぜいポルシェのスポーツカー(911、ボクスター、ケイマン)くらいなものです。

  そんな細かいことはうだうだ言っていてもしかた無いので話を変えますが、日本車とドイツ車を比べて昔も今も決定的に違う!と言えるものに「メーカーの開発スタンス」があります。日本メーカーの実力を大いに感じることができるモデルは、「スポーツカー」「サルーン」「エコカー」「モノスペース」といった一定の目的を前提に企画されたクルマであることが多いです。話を単純にすると最高のスポーツタイヤそしてコンフォートタイヤを世界のメーカーから選ぶと、日本のタイヤメーカー(ブリジストン、横浜、ダンロップ、トーヨー)の圧倒的な独壇場になってしまうように、"テーマ"が決まっている製品では日本メーカーは圧倒的な強さを発揮するようです。

  その一方でドイツ各メーカーの魅力を端的に表現するならば、ブランドイメージを武器とした「オリジナリティ」溢れる企画力だと言えます。例えばBMWのラインナップを見てみると日本メーカーの基準において「サルーン」や「スポーツカー」に分類できるクルマはほとんどありません。日本市場で販売されるほぼ全てのモデルが、BMWの創造した「特別なジャンル」に属していて、「簡単に尺度が設定できない」「日本車では比較対象にはなりにくい」という意味で今でもベールを纏っています。そのほとんどは分析すると「サルーンにはうるさ過ぎる」し、「スポーツカーには重過ぎる」し、「モノスペース(1&2BOX)にしてはユーティリティーが低すぎる」という意味不明なものばかりです。しかしこれを有り難がるファンがたくさんいるのもまた事実です(別に否定はしませんが・・・)。

  従来はアウトバーンでの追い越し性能を重視した、「GTカー」「ホットハッチ」というジャンルが、走行環境の違いから日本メーカーにはとても真似出来ないものとしてドイツ車(欧州車)のアイデンティティとなっていました。しかし現在では自動車技術が飛躍的に高まったこともあり、生粋のサルーンとして開発されたレクサスの主軸モデルLS・GS・ISが欧州のGTカー以上の強靭で安定したシャシーを持ち、アウトバーンを250km/hで安全に走れる設計がとられています。これにより「GTカー」というドイツのセダンタイプがずっと凌ぎを削って争うことで標榜してきたスタイルは、もはや特別な競争力持たなくなってしまいました。ドイツを代表するGTカーであるBMW M5が現行モデルでは、フェラーリやランボルギーニに対抗する500psオーバーなハイスペックになってしまい自滅したという見方もできますが・・・。

  「ホットハッチ」に関してはトヨタ・ブレイドの廃止とマツダスピード・アクセラの生産休止以降は開発がほぼ止まっている日本メーカーに対して、VWゴルフGTIなどが今でも日本車にはない魅力として一定の存在感(アドバンテージ)を保っています。日本の道路でCセグに200ps以上は一般ユーザーにとってはやはりオーバースペックであり、納得できる燃費が求められるこのクラス(B、Cセグ)の日本車では、なかなか「ホットハッチ」ありきの設計へ舵を切るのが難しいようです。70〜400psといった大きな領域を同一ラインで担当出来るというVWのMQBは日本メーカーのものよりもはるかに高い応用力を持った工法といえるかもしれません。

  ゴルフ7は"GTI"や"R"を日本にもすぐに導入して「ホットハッチ」の伝統をなんとか守っています。しかし今年発売された話題のメルセデスCクラスはドイツ伝統の「GTカー」路線をあっさりと放棄して、日本の国内向けセダンをお手本にしたような「サルーン」への転生を意図しているようです。日本仕様として真っ先に導入した年内発売のグレードは全て直4ターボで、重低音を車内にまで響かせる「ドイツGTカー」のイメージをこのクルマに求めるならばAMG仕様を待つしかなさそうです。直4でも高速の合流で悲鳴を挙げることはないくらいまで車重を下げてきているところは評価できますが、RFTを履いているセダンが軒並み最新のBセグ(コンパクトカー)に乗り心地で負けてしまうという潮流もあり、メルセデスブランドとはいえ500万円以上の高級サルーンとしての価値はないように思います(あくまで貧乏人の意見です)。

  「スポーツカー」でも「サルーン」でもない、そして「GTカー」でもないドイツメーカー車が、最近では日本の道路を我がもの顏で走ってます。見かけると「乗ってる人はとりあえずクルマには興味がない人なんだな」と思ってしまいます。VWゴルフ(GTI・Rを除く)、BMW3シリーズ(M3、HVを除く)、メルセデスAクラス(AMGを除く)が日本で売れ行き好調な3台だそうですが・・・極論・暴論は承知の上で言うと、この3台にはどうしてもプリウスやカローラHVでは置き換えられない「何か」を感じることができません。静粛性や乗り心地だけでなく、最近ではトヨタTHS-Ⅱのレスポンスもかなり改善されてきたので、BMWの8ATはともかく、少なくともVWやメルセデスの簡易DCTよりは上質なフィーリングが味わえます。個人差はもちろんありますが・・・。

  この3台はブランドの「雰囲気」だけでトヨタの一般モデルよりも輝いて見えますけど、クルマにこだわる人から見ればもっとも買いたくない3台ですし、自分とは乗り方の違う実家のお袋さんなどにも絶対に勧めたくないクルマです。あえて買う理由を考えるとしたら、「とりあえず輸入車に乗ってみたい!」という人にはゴルフ、「BMWに乗ってみたい!」なら3シリーズ、「メルセデスに乗ってみたい!」ならAクラスがお手頃なのかもしれません。しかしこの3台に乗っていても、輸入車・BMW・メルセデスの"本物ユーザー"からはバカにされるのがオチですが・・・。そもそもBMWもメルセデスも年収30万米ドルを軽くクリアする顧客へ向けて"本物"が提供されるハイクラスのブランドです。そんな「貴族文化」的な乗り物のブランドイメージを通して、気分だけ少し味あわせてくれるモデルがゴルフ・3シリーズ・Aクラスです。やや失礼な表現かもしれないですが、白馬や馬車に乗った気にさせてくれる「メリーゴーランド」みたいなものだと言えます。

  「スポーツカー」「サルーン」「GTカー」「ホットハッチ」「モノスペース」「エコカー」そして「メリーゴーランド」。日本で売られているクルマはおそらくこの7種類のどこかに分類されます。日本車の中にもアクセラやインプレッサのような「メリーゴーランド」に分類されてしまうクルマもいて、それが意外に人気で売れてたりするので、結局のところ日本人はやはり「見栄っ張り」な人が多いようです。旧型の絶版モデルではありますがトヨタ・セルシオは「サルーン」としての性能は折り紙付きですから、この手のクルマに乗ってるヤンキーを、アクセラのような「メリーゴーランド」に乗っている人が"嗤う"のはちょっと筋違いじゃないか?という気がします。アクセラのクルマとしての正当性なんて、突き詰めればドイツの「メリーゴーランド」よりもいくらか安い!ってくらいなものですから・・・。マツダさん!アクセラもTURANZA(非RTF)を履こうよ!



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↓スバルから実力十分のGTカーが出てきました。もはやラリーで勝つための(わけわかんない設計の)クルマじゃないです。