2014年7月9日水曜日

ヴェゼルユーザーとアクセラユーザーはなぜモメる?

  メルセデスCLAのオーナーがやたらと攻撃的で「怖ぇ〜」みたいなことを前回書いたのですが、実はもっと怖いのがホンダとマツダのファンじゃないかという気がします。マツダ車を愛用するようになってから、その素晴らしさをブログに綴るようになったのですが、しばしば「痛いマツダ好き」の例として、ブログ記事が掲示板に晒されることがありました。リンクを辿ってその掲示板を見てみると、そのほとんどが「ホンダ」と「マツダ」の醜い貶し合いだったりで、なんでこの人々はこんなに欲求不満なんだ?と不思議に思うほど、直線的(短絡的)にお互いに攻撃し合ってます。

  とりあえずこんな「貶し合い」を読んだあとで、両メーカーの看板車種である「アクセラ」と「ヴェゼル」を買いたいとは思わないかもしれません。アクセラには「中国製のブレーキキャリパーが使われている」とか鬼の首を獲ったように書かれていますが、実際のテストではこの中国製ブレーキにBMWもスバルも全く歯が立たないわけですから、とりあえず性能面ではまったく問題ない気がしますが・・・。中国製エンジンが使われているトヨタの高級ミニバンに不具合が多いなんて話は特に聞いたことないですし、むしろ付き合いが長くて「なあなあ」な関係になっている国内大手部品メーカーに不具合が多く発生しているくらいです。マツダが国内大手の東海ゴムと裁判というニュースがありました。このメーカーは生産拠点がすべて日本にあって技術水準も高そうですが、品質基準でマツダが激怒したようです。

  「アクセラ」も「ヴェゼル」もマツダとホンダの「決意」が滲んでいて、これ以上高価なクルマはもう売れないだろうというギリギリの線を狙って作られています。両ブランドともに「アテンザ」「アコード」といった上級セダンがあり、さらにホンダは「レジェンド」を日本に再投入する見通しではあるのですが、そんなことは一切お構いなしな姿勢が見られます。どうやら「ヴェゼル」と「アコード・レジェンド」はクルマの方向性が完全に分かれていてユーザー層も別々になるように想定されているようです。そもそもクラス最強レベルの安全性を誇るアコードをわざわざ好んで買うユーザーは、安全性に疑問が残る小型SUVにはおそらく見向きもしないでしょう。

  ホンダの中でおそらく「大型車」ユーザーと「小型車」ユーザーが完全に分離されていて、それぞれが好むポイントを重点的に強化しています。アコードだったら、衝突安全性・制動力・高級感に重きが置かれていて、ヴェゼルはオシャレ・経済性・安っぽく見えないといった点がポイントになっています。マツダのアテンザとアクセラの間には、ホンダほどには大きな垣根は無さそうに見えますが、おそらく3代目アテンザを購入したユーザーのほぼ全員がアクセラには全く興味なしなんじゃないかと思います。アテンザに魅せられる感覚とアクセラが良いと思う感覚は実際のところ全く別ものです。

  アコードとアテンザのユーザーが言い争う掲示板はあまり見た事がないのですが、ヴェゼルとアクセラのユーザーはなぜここまでバトルし続けるのか? これはあくまで私の考えですが、アコードやアテンザのユーザーは自分のクルマが「一番安い!」と思っていて、その一方でヴェゼルやアクセラのユーザーは自分のクルマが「一番高級で高性能!」だと感じているからではないかと思われます。アコードやアテンザのユーザーにとっては「クルマ」とは自分の愛車がほぼ最底辺で、それよりも高価なセダン・スポーツカーだけがその範疇に入ると考えています。つまりメルセデスAMGやBMWアルピナなど上には上がいくらでもいるから、たとえ自分のクルマがE250や320iよりも良いクルマだと十分に理解していても、そんなことぐらいで粋がっていても仕方がないと思うのです。

  正直言って、街で見かける9割以上の「クルマもどき」には全くと言っていいほど目がいきません。後ろを走っているクルマが「ヴィッツ」なのか「オーリス」なのか「ウィッシュ」なのか「エスティマ」なのかなんて全くどうでもいい話です。そのメーカーのクルマは現行モデルではクラウン・マークX・カムリ・レクサスLS・レクサスGS・レクサスISの6車種しか認識しません。そりゃオマエだけだろ!と言われそうですが、他の中・大型セダンユーザーもおそらく同じ感覚だと思いますよ。

  まだ学生の頃にカローラランクスというクルマに乗っていたのですが、その頃は逆にクラウンとマークXの違いが分らなかったですし、アリストやインスパイアがどこのメーカーのクルマなのかすら怪しかったです。どのクルマに乗ってるかで目線はやっぱり大きく変わってくるものだなと思います。1090kgの車体に190psもあるとそこそこ速いので、若気の至りというのもありましたが、しばしば「オレ様」的な走りをしていたかもしれません。しかし今のクルマに乗り換えてみると、もはや速さなんて1つの尺度でしかないんだな・・・とクルマの奥行きの深さを思い知りました。「アクセラ」と「ヴェゼル」ユーザーの愚かな罵り合いを見ていると昔のアホな自分を見るようでちょっと恥ずかしい気がします。

  マツダとホンダの話に戻ると、現行のアテンザとアコードはお互いに全く別の方向性を模索しているので、「優劣」といった概念があまり浮かびにくいこともあってあまり対立関係にはならないようですが、アクセラとヴェゼルはタイプが違うにも関わらず、デザインやら内装やらで「ガチンコ」でお互いに目障りと思ってしまうようです。結局どちらも言われているほど「個性的」ではなく、むしろ「最大公約数的」なパッケージングに陥っているという証明なのかもしれません。まあ今後はもっと仲良くしてもらいたいものです。


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どちらも良いクルマだと思いますが、一部ユーザーが品位を落としていますね。
 

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